lifestyle diseases生活習慣病
何気ない生活習慣の乱れが、ある日突然の大病につながります。
生活習慣病は食事・運動不足のほかに喫煙・過度の飲酒やストレスなどの日々の生活習慣の乱れが原因でおこる病気です。代表的なものに、高血圧・糖尿病・高コレステロール血症(最近は脂質異常症といいます)、高尿酸血症、肥満などがあります。これらの生活習慣病は、無症状の時期に動脈硬化などを通じて全身の血管を傷め、動脈硬化による脳卒中・心筋梗塞や動脈瘤などのさまざまな病気を引き起こします。最初の症状が、脳や心臓の重篤な症状のことが多いため油断しやすい点も注意が必要です。
行動変容ステージに基づいた包括的心臓リハビリテーション
生活習慣病治療の目標は突然おこる心臓病や脳卒中などを起こさないこと
生活習慣病は、生活習慣の乱れからおこります。このため、生活習慣病の治療で最も大切なことは、生活習慣の改善で寝たきりなどにならないように健康寿命を伸ばすことです。そのためにはそれぞれの生活習慣病の指標(高血圧なら血圧、糖尿病ならばHbA1c、脂質異常症ならばLDLコレステロール値)をそれぞれの患者さんに合わせた目標値まで到達することが必要と言われています。ただし、数十年かけて身についた生活習慣を変えるのは一筋縄ではいかず、血圧が高いことを悪いと思っていない時期に“塩分を控えて薄味にしろ”と言われても、反発するだけで終わります。そこで、当院では「行動変容ステージに基づいた包括的心臓リハビリテーション」の考え方を取り入れた診療を行います。
心臓リハビリテーションについてはこちら「行動変容ステージ」とは
「行動変容ステージ」とは、あなた(患者さん)の治療に対する心の準備状態のことを言います。具体的には、“血圧が高いことを悪いと思っていない時期(無関心期)”には、その心の準備状態に適した方法を用います。この様な個々の患者さんの準備状態(行動変容ステージ)に適した方法で患者さんの行動を修正していく手法は、肥満や禁煙の指導で大きな成果をあげています。当院では、この方法を生活習慣病の診療に取り入れることによって生活習慣病の改善を目指します。
様々な治療を併用して改善を目指します
もちろん、生活習慣病の治療には、食事療法・運動療法に加え、必要であればお薬による治療も大切になります。この様に色々な方法を用いることを「包括的」という言い方をします。「包括的心臓リハビリテーション」は、心臓・血管病の方に対し、運動療法だけではなく食事療法や生活指導・薬物治療などを「包括的」に行うことで、健康寿命を伸ばすことができる有効な治療方法です。この手法は、心臓・血管病を発症する前の糖尿病などの「生活習慣病」の管理にも有効であることが報告されています。
お薬を飲みたくないという方がいらっしゃいますが、生活習慣病の治療で最も大切なことは「薬を飲むか飲まないか」ではなく、あなたの健康寿命を伸ばすため「生活習慣病の合併症を起こさないようにするための目標値を達成するために、どのような方法を組み合わせるか」が大切なのです。
当院での生活習慣病治療は当院のチームで行います
当院では心臓・血管病の方に対する「包括的心臓リハビリテーション」と合わせて「行動変容ステージに基づいた包括的治療プログラム」を取り入れた生活習慣病治療を行います。具体的には、個々の患者さんに応じた有酸素運動、重点的な栄養指導及び生活指導、適切なお薬の使用を組み合わせて、それぞれの生活習慣病の指標の目標値を達成することを目標にします。このために、医師のみではなく、看護師や技師などの多職種が力を合わせてあなたをサポートします。